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光を求めて
第4章 自業自得
男の手が腰を押さえつけ私の中に押し込もうと力が入った瞬間、入口のドアが音を立てて開き、外の光が差し込んだ。
そして、聞きなれた声が耳に届いて安堵する。

「何……やってんだ!!」

その声に男は振り返り、入ってきた人が誰か分かった途端、あの胡散臭い笑顔になった。

「どうしたんですか?これから良いところなんだから邪魔しないでよ」

「そう思ってるのはお前だけだろう?彩羽は嫌がってるが?」

「イヤよイヤよも好きのうちっていうじゃないですか?」

「それは時と場合によるだろう……今は本当に嫌がってるぞ。そうだろう?彩羽」

私に向けられる言葉と優しい視線にホッとし涙が溢れ出す。
それでも今の状態から逃げ出したくて声を絞り出した。

「たす、けて……ゲンさん」

「そのために来たから安心しろ」

ゲンさんは優しい笑みを私に向けながら、ゆっくりと近づいてくる。
コツンコツンという足音だけが静かな部屋に響く中、男の肩を握り私から引き離した。
そして、自分が羽織っているコートをかけ縛られている手を開放してくれた。

「あり、がとう」

「気にするな。これに懲りて普通の生活に戻れ」

「……うん」

普通の生活と言われても、学生の事から沁みついた習慣が簡単に変えられるか分からない……

「とりあえず帰るか、帰ってから話そう」

「うん、わかっ――!!」


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