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光を求めて
第4章 自業自得
「ただですむと思うなよ!!糞野郎が!!」
言葉までも汚く、バーにいた時とは大違いだった。
どんなに暴言を吐こうと、ゲンさんは涼しい顔をしたまま最後には鼻歌を歌う始末で私のほうがソワソワする。
「……ゲンさん」
「んっ?お前も殴るか?」
涼しい顔をして物騒なこと言わないでと叫びたくなる。
それでも、そうできたら少しは気分が晴れる気がして足蹴りにした。
「それだけか??力がたりないんじゃないのか?蹴る時はこうするんだよ」
「ウグッ」
人を蹴るとか叩くとか経験がない私は軽く蹴るだけだったが、ゲンさんは力の限りお腹を蹴り上げ男の身体がくの字に曲がった。
顔を歪ませ痛がる姿に死んじゃうんじゃないかと心配になる。
ましてや死んでしまったらゲンさんが捕まってしまう。
「ゲンさん、死んじゃうよっ」
「あっ?これくらいじゃ死なね~よ。でもそうだな。彩羽には刺激が強いか?」
強すぎるとかの問題じゃないと思いながら何度も頷くと、男の上に座り直したゲンさんはスマホを出してどこかにかけ始めた。