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光を求めて
第4章 自業自得
「あ~もしもし、お久しぶりです、元気ですよ。相変わらずバーでノラリクラリやってますよ。それよりちょっとお願いしたいことがあって――ある男を捕まえたんですけどね、女をナンパしてはレイプして風俗に落とす男――そうですよ。おやっさんたちが捕まえたがっていた男ですよ」
ゲンさんの会話の中で、相手が警察官だと分かる。
だけど、お久しぶりとかおやっさんとか一般人がいうセリフでもない。
「今から言う場所に拘束して転がしておきますから回収してください。――あ~、それは内密に。まぁ、強いて言えば俺の娘みたいな子なのでよろしくお願いしますよ」
電話を切ったゲンさんに、今の電話の相手を聞けば警察だと教えてくれた。
「この男、前々から警察が追っていた男なんだよな」
「追ってたって……その警察官とも知り合いなの?」
私の言葉にゲンさんは首を傾げ、何かを察したようでいつものなんでもないと言った感じで教えてくれた。
「夜の仕事をしてるとな、それなりにツテというものができるだ。持ちつ持たれつっていうのか?情報を貰う代わりに違う情報を流したりもする、よくテレビとかであるだろう?それに似たようなもんだな」
本当にテレビの中の話で現実味が沸いてこない。
それでもこれが私の知らない夜の世界。