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光を求めて
第4章 自業自得
「とりあえず警察が来る前に消えるか。巻き込まれたくないだろう?」
「そうだね。でも、ありがとう」
「気にするな。変な男を近づけないのも俺の仕事のひとつだからな。お前を傷つける奴は容赦しないさ」
ゲンさんの言葉に胸が熱くなる。
こんなにも私を大切に思っていてくれる人は他にいない。
「……ありがとう」
「とりあえず行くぞ!」
ゲンさんに促され、男を放置したままmaple‐メイプルに戻った。
私が帰るまでは賑わっていた店内は今はもう誰ひとりいない。
12時前で店を閉めるには早すぎだった。
「もしかして、店閉めて助けに来てくれたの?」
「あっ?常連ばっかりだったし快く帰って行ったよ。とりあえずシャワー浴びてこい。そのままじゃ気持ち悪いだろう」
頭をガシガシとされて奥のシャワールームに向かった。
小さくて散々文句を言ってきたシャワールームだけど今はありがたく、あの男に触られた汚れを落とすかのように中も全て洗った。
だけど、穢れが落ちることはない。
今回だけじゃない。
私は、きっと穢れてる。
色んな男に抱かれ続けた私の身体がきれいなはずがない。
それでも全てを流してしまいたくて長い間シャワーを浴び、部屋に戻ればゲンさんがホットココアを渡してくれた。
それを飲めば、やっと心安らげる気がした。