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微睡みの中で
第7章 戸惑い
聡が彼女と別れたのはその時期だった。
高校入学を期に彼女と離れ離れになるからって言ってた。
どうせまた、高校で彼女作るんでしょ。って。
近々、私は聡の恋愛に、心の中で皮肉を言うようになっていた。
当時、私が皮肉っていたそれが勘違いだと知ったのは、高校に入って仲良くなりだしてからだった。
入学後。
翔馬と聡とは同じ中学出身ということでさらに仲良くなって行った。
高校に入学してから、聡には彼女が居なかった。
ていうか作らないようにしてたみたい。
十分なほど仲良くなってたし、気持ちを伝えずに居られなくなった私は、当たって砕けろって感じで告白してみた。
「あ…ありがとう。気持ちは嬉しいけど………ごめん」
まぁ、分かってたよ。
ダメ元だったし。
…作らないようにしてるんだから、告白されても困るよね。普通。
少し強がりながら自分の心を宥める。
案の定断られたけど、好きな人がいるのかと聞いてみるとそうではないらしかった。
理由は好きの区別がつかないとか、人に恋愛感情を持てたことがないとかだった。
それは中学の時からそうで、付き合ってみると変わるかもと思って告白してきた女の子と付き合っていたけど、気持ちが動かず、そのせいで続かなかったらしい。