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微睡みの中で
第7章 戸惑い
そこには呆然とする翔馬が居た。
きっと一緒に帰ろうと聡を探していたのだろう。
気づいた私と目が合うと、翔馬は慌てて走り去って行った。
友達に見られてしまったという事に気が気じゃなくなってしまいながらも、行為を止めることが出来なかった。
きっと翔馬も、友達のこういう姿を見て、ショックを受けたに違いない。
でも、それでも聡と繋がれたことが嬉しかった。
その反面で一瞬見せた悲しそうな表情や、翔馬に目撃されてしまったことを思い出し、やり切れない気持ちと共に虚しくもなっていた。
聡が私の事嫌いではないって言うのは分かるけど、好きだというのもなんか違うのも分かっていた。
よく言うヤツではラブじゃなくてライク。みたいな。
まぁ…。
振られた身だし、いくら下心丸出しで近づいたって、なかなか好きになってもらえないことだって分かってたよ。
でも、こんな虚しいような、そうではないような、よくわからない感情になるなんて思いもしなかった。
翔馬は何事も無かったように接してきてくれた。
だから私も何事も無かったように接した。
しかし、一度歪めた関係を元の状態に戻すのは難しくて。
むしろどんどん歪んで行った聡と私は、よくエッチをする仲になっていた。