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微睡みの中で
第7章 戸惑い
「ありがとう」
その後どうしていいか分からず、少し沈黙が流れた。
沈黙に気づいた翔馬がハッとしたような表情をした。
「あ、ごめんごめん。ただ莉奈ちゃん1人なら一緒に帰りたいなーとか…思って!」
「え?」
「いやっ、やっぱり迷惑だよな!?ごめん!じゃ!」
「えっ!?ちょっ…!まっ、待って!」
私がまだ返事をする前に早とちりして帰ろうとする翔馬の袖を慌てて掴んだ。
きっと一緒に帰る以外にも何か用があったんだ。
そうでなければ待ち伏せなんかしない。
私が連絡を絶ってたから…スマホにも連絡せずに待っていたんだろう。
急いで翔馬の横に並ぶ。
一瞬驚いた顔をされたけど、すこし安心したように、すぐニコニコした顔に戻ってゆっくり歩き始めた。