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微睡みの中で
第7章 戸惑い
「しょ、翔馬く…」
「こ、こんなタイミングで…言うのも変なんだけど…」
ドクンドクン、と心臓の音が早まっているのが間近で伝わってくる。
周辺は厭というほど静まり返っていた。
自分達だけ時間が進んでいて、周りの時間が止まったように感じた。
「俺、その…っ!本当は…!中学の頃から莉奈ちゃんのことが、好きだ…」
途切れ途切れにその言葉を紡ぐ。
ずっと抱きしめられているから表情は見えないけど、きっと顔を真っ赤にしてる。
だって、私もすごく顔が熱いんだもん。
「その時から聡のこと好きなのは知ってた…だから聡とくっついたら、莉奈ちゃんが幸せならそれでいいって思って…高校に入ってからも…。けど、諦めたつもりでも諦めきれてなかった」
「……っそれなら私、翔馬くんにすごいひどいこと…っ」
そう、私は一度、目撃されているんだ。
聡とエッチしてるとこ。
普通に振舞ってくれてたから、気を使ってくれただけかと思ってた。
でも違う、本当はずっと苦しかったはずだ。
「謝らなくていいから…俺がそうしたのは、俺自身の選択だったわけだし…」