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微睡みの中で
第2章 部屋
「おい莉奈…大丈夫か?」


「えへへ、気持ち良かった…」


莉奈が体を起こしたので、俺はベッドから降りた。
するとまた莉奈は「ねえ」と言った。


今度はなんだと思いながら返事をすると、照れながら俺のシャツの裾を掴んだ。


「今日泊まってかない?」


「はっ?」


家に誘って来た時も思ったけど…夏休み初日から?
お泊まりのお誘いってそういうことだよな。


底なしの性欲…?


しかも親居るんじゃないのかよ、今日?
何も聞いてないぞ…。


──そうだよ、親は?


「親は?」


「あれ?言ってなかったっけ?今日両親は仕事でいないの。時々そう言う事あるけどなかなか誘えなくて。ちょうど夏休みにはいったし…いいかなって…」


「あ、あぁ…なるほど。とりあえず一度帰ってまた夕方に来るよ、家で通知表待ってる鬼もいるからさ…」


「あっ、うん、そうだよね…ごめんね急に…。じゃあ待ってるね。夕飯、作ってもいい…?」


そうか。


…こいつ今日家に1人か。


じゃあなんだ、特に迷うことはない。


「うん、そうしてくれると助かる」


母親には適当に話をつけておこう。


正直俺が家にいなかったところで、連絡さえしていれば怒らない母親だ。


しかし女の子の家となると話は別だろう…サルの所に泊まるとでも言えば特に問題ない。


チキンな俺は、しっかりと翔馬に連絡しておく。


あいつならわかってくれるだろう。
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