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第4章 祭

な、なんか気まずいな…喋ったほうがいいのかな。


そう思っていたのも束の間、翔馬が会場についたらしく、俺のところにやってきた。


「よう聡！…って、あれ！？あの時のお姉さんじゃん！」


「こんばんは。あの時は聡くん誘拐しちゃってごめんね？」


「いやいや！なんなら俺のことも誘拐してくださいって感じっすよ！」


翔馬がわりとガチめな顔で沙耶香に返すと、沙耶香はまた大人の色気を出して、「今度ね」と言いながらにこり微笑んだ。


期待させるような口ぶりに、何故か少し俺が焦り、動揺してしまった。


その様子もちゃっかり見られていて、くすくすと笑われた。


沙耶香を一人で待たせるわけにも行かず、少しの間3人でしゃべっていると、沙耶香の待ち合わせしていた人も到着した。


どうやらあの日海で翔馬と一番打ち解けていた女性だったらしく、2人は俺たちのことも眼中にないといった様子で人ごみに溶け込んでいった。