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微睡みの中で
第4章 祭
「…意外と気が利くのね。ちょっと休憩しようって言おうと思ってたの。やっぱり履き慣れていないとダメね」


「あんまり無理しないでいいのに…痛そう…」


「これくらいどうってことないわよ。それに、こんなこともあろうかと…」


また苦笑いしながら、巾着袋から絆創膏を取り出して、貼ってと言わんばかりに俺に手渡した。


あんまり見たことなかったけど…女の人の足ってこんなに小さくて細っこいのか…。


少々緊張しながら絆創膏を貼り付け、再び沙耶香に下駄を履かせ、立ち上がる。


「ねえ待って」


「ん?」


「もう少し休憩しましょ」


沙耶香は自分の横に座るよう、そこをトントンと叩いて、俺を座らせるも、何も喋らず黙り込んでしまった。


俺に寄り添うように、俺の肩のほうに身体を傾け、頭を乗せた。


人のいるところでは気を張っているのに、人気の少ないところでこうして甘えられてくるのは、正直…可愛くて困る。
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