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微睡みの中で
第4章 祭
花火が終わると少しの余韻に浸っていた。
祭り自体はその花火で締めくくりだったが、まだ酒をのんで賑やかにやっている人たちがたくさんいる。
「…聡くん、あんまり遅くなるとよくないわね。楽しかった。また、連絡するわ」
「うん、また。気をつけて」
沙耶香は一緒にきていた友人と帰るというので、後のことは翔馬に任せて、俺も帰ることにした。
家に帰る頃には時計は既に12時を回っていて、母はもう寝ている時間だった。
「ただいま」
「おかえり、遅かったな」
「おかえりなさい」
聞きなれないが聞き覚えのある声だった。
リビングには瑞貴とその彼氏の直人がいた。
「聡くん、久しぶりだね」
「直人さん。お久しぶりです」
直人はあまり差はないが俺より長身で、180cmくらいと聞いたことがある。
瑞貴の身長が俺よりも低いので余計高く見えた。