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微睡みの中で
第5章 新学期
「俺が莉奈から告白されてたのは知ってるよな」
ああ、なんだか喉が詰まる。
それだけ自分が莉奈に対して罪の意識のあることをしていたということだろうか。
翔馬はコクリと頷いた。
「お前が1度振ったのも、拗らせた関係になってたのも知ってるよ」
「…夏休みの初日に、莉奈の家に行ったんだけど」
俺は少しずつ順を追って話して行った。
莉奈の気持ちに歯止めが効かなくなってきていること。
対する俺にはやはり「好き」な気持ちが芽生えて来てはいなかったこと。
莉奈とそういった関係を終わらせたこと。
話し終わった後、翔馬はため息をついて呆れた様子だった。
「…告白してきた子と付き合わずに…ってまあ、そりゃあ気持ちに歯止めも効かなくなるよ」
返す言葉もない俺は、情けなくも黙りこくってしまった。