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微睡みの中で
第6章 気持ち
しばらく無言でお互いの体温と鼓動を感じていた。
そのまま寝てしまったのかと思うほど静かで、俺は確認するように沙耶香に声をかけた。
「沙耶香さん…?」
「…!そうだ、それよ」
意外な反応に目を丸くする。
…寝てるなんて、全然そんなこと無かった。
むしろ元気…?
沙耶香はまた少女のような顔になったかと思うと再び顔を少し赤らめ、照れ始めた。
「あの、聡って呼んでもいい…?あなたも沙耶香って呼んでくれると…嬉しい」
あーっ!もう!
今日だけで可愛いところ見せすぎ。この人。
ポーカーフェイスだと思ってたのに、変に素直で、とんだ百面相だ。
「じゃあ…沙耶香」
「なあに、聡」
「あははっ」
「なんで笑うのよ」
「いや、なんか新鮮だなって思って」
「ふふ、そうね、照れくさいわね」
そしてまた沈黙が始まり、見つめ合って、口付ける。
今度はさっきより深く熱く、お互いの存在を確認して、求め、貪るように…。