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微睡みの中で
第6章 気持ち
両親は物心がつく前に事故で死別。両親の顔も記憶にはないらしい。
沙耶香は同じ事故に遭ったが奇跡的に一命を取りとめた。


母は家出少女で、結婚前に祖父母とは縁を切っていたらしく、父方の祖父母も既に他界していた。


沙耶香は父方の叔母に引き取られた。


最初は可愛がられていたが、沙耶香が成長するにつれ、叔母にも意見するようになったことで「可愛げのない気取った子」と毛嫌いされ、その娘達からもいじめを受けていた。


そのままグレて中学では不良とつるみはじめて問題を起こすようになる。


無意味な行動だとも分かっていた。


高校に進学しする頃には問題を起こすことがアホくさく感じ、最初はギャル系の集団にいた。


けど内心それも厭になって、学年が上がる度に孤立して行った。


寂しくなかったのか聞いてみると、そのおかげで放課後はすぐバイトに明け暮れることが出来たらしい。


高校を卒業してすぐに叔母のところを出て仕事を始めたらしいが、初めての職場で上司にレイプされ、辞職。


転職してしばらくは不眠に悩まされていたが、その時同僚になった3人(海で一緒だった人達)が旅行などリフレッシュに連れていってくれたそう。
昨日のアロマもその旅行中に買ったらしい。


夏の海もリフレッシュの一環で連れ出してくれたんだとか。


「今の会社は…そうね、5年経つけど働きやすいわ。あの子達のおかげ。私の生きてきた25年間はこんなもんよ。まだまだね」


「……」


情けないが、俺はなんて声をかけたらいいのかわからなかった。
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