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密室脱出 ~あなたは脱出できますか?~
第1章  Q 01「次の問いに答えよ」


「鞄が、無い……」
 美織が部屋中を見て回る。
「無いっ。スマホ! スカートのポケットに入れてたのにぃ。なくなってるっ!」
 梨沙も言い出し、四人は部屋中を探し始めた。
「どこにもないようだね」
 拓也が溜息をつく。
「ドアも開かないぞっ。鍵が掛かってる」
 奏汰はノブを回しながら、ドアを押したり引いたりしている。
「何がどうなってるのっ?」
 声を上げてベッドに座る梨沙に、美織が寄り添う。
「知らない男に抑えつけられて、何か刺激物を嗅がされたよねぇ?」
「私達、誘拐、されたの……?」
 美織の言葉に、みんな暫く黙ってしまった。
 窓の上にある学校のような時計は、6時すぎ。外の明るさからして、午前六時だろう。それは四人とも感じていた。
「何だこれ?」
 奏汰が、チェストの上にあった封筒を手に取る。梨沙が窓に投げつけた置物の下にあった物。口には、Qと書かれたシールが貼ってあるだけ。
「手紙が入ってるぞ」
 奏汰の声に、みんな集まった。


「君達をみんなが見守り、応援している。
君達の運命は、私達の手の中だ。
この屋敷から、12時間以内に脱出してみせろ。
無事を祈っている。」


Q 01 次の問いに答えよ
「1人だけで考えないで、
誰かを頼ってごらん。
理由なんて必要無い。
信じ会えば、道は開ける。
助け合うことは大事だ。」


「ねぇ、どういうこと?」
 梨沙が拓也の腕を揺する。
「何かの、暗号……。なのか?」
 奏汰から受け取った手紙を見つめる拓也以外の三人が、顔を見合わせる。
「十に時間以内に脱出……。十八時までということか……」
 拓也の言葉に、全員が無言になった。
「1人だけで考えないで、誰かを頼ってごらん。理由なんて必要無い。信じ会えば、道は開ける。助け合うことは大事だ……。何なんだ?」
 奏汰が読み上げるのを三人も聞いていたが、何も分からない。
「ここを出るための、ヒントなんだよねぇ? ねぇ?」
 梨沙が三人の顔を順番に覗き込む。
「この謎を解いたら、出られるんだよねぇ?」
 繰り返す梨沙に「少し黙っていろ!」と、拓也が珍しく声を荒げる。


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