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若様の性長日記!
第1章 大学を卒業した後
つまり、本気、なのか。

「…何故そんなことを実の父親に告げなくちゃならない?」

だからオレも真面目に聞いてみる。

「それが重要だからだ。今後、お前にどう動いてもらうか、決めるのに大事なんだ」

「え? 話が全然見えないんだけど」

「う~ん。はっきり言わなくちゃ、やっぱり分からないものか」

親父は腕を組み、唸った。

「この会社、人材派遣であることは言ってあるよな?」

「あっああ」

だからオレは普通に一般的な派遣会社を思い浮かべていた。

「その仕事内容だが、主に性的なものなんだ」

「………はい?」

オレは自分の頭を疑った。

耳が悪いのではなく、頭がおかしくなってしまったのだろうか?

「まあ他にもいろいろな場面で、必要とされればそこに人材を派遣するんだ。だが主な仕事はセックスの相手だな」

「それって…いわゆる売春…」

「それだけではないと言っているだろう? まあ簡単に言えば、プライベートで相手がほしい人に、こっちから人をやる。その内容は相手次第だが」

「つまり…普通の派遣会社は会社を通して人材を派遣するけれど、ウチの会社は個人で人材を派遣するってこと?」

「おおっ! のみ込みが早いな!」

親父は嬉しそうだが、オレは体中の血が冷えていくのを感じていた。

個人的な依頼内容…ということは、この会社、違法で引っ掛かるんじゃないだろうか?

と言うか、とっくに警察が来てもおかしくないのでは?

「あっ、今、社会的なこと考えただろう?」

「常識的なことを考えてたんだっ!」

「まあ確かに何かに引っ掛かりそうな商売だけどな」

アッサリ認めやがった!

ヤバイ! 今すぐ退社した方が身の為だ!

と言うより、この親父と縁を切った方がオレ自身の為だな。

「でも大丈夫。ウチは組織だから。個人であれば叩かれるけど、組織であれば大目に見られるんだよ」

犯罪の匂いが濃いっ!

「上客の中には、ニュースで見る人達も多くいるしね」

そして社会の闇の色も濃い!!

親父はあくまでも笑顔で語る。

「この会社はかなり歴史があってね。わたしの世代からはじめたものじゃないんだよ」

「…どれぐらい昔なんだよ?」

「そうだねぇ。…遊郭があった時代から、かな?」

ここは何百年の老舗かっ! 

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