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魚の骨
第2章 透明

身体に彼の名前が刻まれる代わりに、私はスケジュール帳のメモページに彼のサインをもらった。今も綺麗に書いた文字と急いで書いた時の文字と崩して書いた文字が並んでる。それを見るたび、あぁ、本当に会ったんだなと指で文字をなぞる。
「お願いがあるんだけど…サインが欲しいの…」と彼に頼んだ時、彼は画面の向こうでどんな顔をしていたんだろう。「今度会った時、筆記用具がいるね」ときた返事を読んで、私の頭をポンポンと可愛がってくれる彼が見えた。
小さなカバンに大きなスケジュール帳とボールペンを入れて、クリーニングに出して戻ってきたばかりのコートに腕を通し、買ったばかりの靴を履いて私はいつもの待ち合わせ場所に向かう。
買ったばかりのものは着られてるから、慣れた服で行くのがいいのは分かっている。でも彼と出会えてずっと買い物は楽しい。新しい服を一番に見せて、可愛いねと言われたら似合わない色も思っていたのと違った好みの形じゃなくても、私にとっては一番のお気に入りになるから。
「お願いがあるんだけど…サインが欲しいの…」と彼に頼んだ時、彼は画面の向こうでどんな顔をしていたんだろう。「今度会った時、筆記用具がいるね」ときた返事を読んで、私の頭をポンポンと可愛がってくれる彼が見えた。
小さなカバンに大きなスケジュール帳とボールペンを入れて、クリーニングに出して戻ってきたばかりのコートに腕を通し、買ったばかりの靴を履いて私はいつもの待ち合わせ場所に向かう。
買ったばかりのものは着られてるから、慣れた服で行くのがいいのは分かっている。でも彼と出会えてずっと買い物は楽しい。新しい服を一番に見せて、可愛いねと言われたら似合わない色も思っていたのと違った好みの形じゃなくても、私にとっては一番のお気に入りになるから。

