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魚の骨
第1章 契り
彼の舌は私の命綱だった。それは細い細い糸で直ぐに契れては、また繋がり何本もの糸が蜘蛛のように複雑に入り込んでいる脆く弱い綱だった。

糸を引くたび契れては重なって切れないように何度も私の唇を重ねた。彼の唇は残酷なほど2人の夢を見て、繰り返し注がれた愛で大きくなった夢は恐怖さえ感じた。

生き返った私は、また同じ日々を繰り返すしかなくなる。
次生き返らせてくれる保証はないのに、次を待つ生活が始まる。

囁かれた言葉より彼の影を追いかける時間より、生かされることは次を期待してしまう自分がそこにいた。
次はいつ会えるんだろう。私はそれまで生きれるのだろうか。

頭を撫でられながら、ここにいる実感をするのに精一杯だった。昔読んだ地球の図鑑で愛し合う人間という図があって、そこに男女が裸で布団の中で談笑している模様が描かれてあった。私たちは今あの図のように愛し合えてるのだろうか。


起き上がり熱くなった彼の一部を口に含んだ。
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