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魚の骨
第3章 誘惑
「後50年は一緒にいれるかなぁ」と背を向けながらぼやかれ
「後50年しか一緒にいれないの?」としがみついて泣いた恋をしたことがある。


その恋は1年と続かず幕を下ろした。
そしてぼやけた命も2年持たなかった。

思い出はセピア色になっても、生々しい傷跡は生活の所々に深く残っていた。

私の横に50年生きた彼が美味しそうに電子タバコをふかしている。愛することが人生の最後まで寄り添うことなら、尖った若気の至りで軽口を叩くことはできない。

私の傷跡を見て「本当に好きだったんだねぇ」と言った人は初めてだった。一回休めれる。そう思った。
前しか見てなくて突っ走ってたこの数年、人生ゲームの一回休みが空から降ってきた。この人の胸なら安心して眠れる。私の歪んだ考えも拗れた柵も偏った想像も、この人は捨て方を丁寧に綺麗なまとめ方で教えてくれる。
教えてもらった通りにしただけなのに、ずっと褒めてくれる。

「僕の何がそんなにいいの?」と聞かれるたび瞬間瞬間に降りてくる言葉を捕まえて投げかけてきた。

きっと全力で休みたかったんだと今なら思える。
全力で突っ走った恋は、全力で有給の許可をもらいに上司に泣きついてるのと変わりはなかった。彼と会う日は一回休める日だった。

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