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魚の骨
第3章 誘惑

夢のような儚い時間ではなく、本当に休まったことを体が色をつけて教えてくれた。私の休憩ポイントは彼の体で服の上から抱き合えれば傷跡も傷も優しい温度に変わった。
激しい生活の中で湯たんぽのようにあったかい彼の体は独り占めできる最高の嗜好品だった。
私にとっては極楽の湯宿を見つけた感覚なのに
彼は最高のアトラクションがあるテーマパークを見つけたかのように私の体を全身で全力で楽しもうとしていた。
「君の体はすっごく楽しくて気持ちいい」と背中をさすりながら顔を近づけてくる。
吐息が脊髄にあたり、腰がひくついて唸った。
息なのか舌なのか手のひらなのか、次は何が背中に来るのか分からない。自意識過剰な腰は反応し、相手の様子を伺った。
上から鷹に狙われてるかのように息をころし、身を潜めて震えた息を出した。
くる…くる…と思うと尾骨が上がる。本物の尾が生えてたなら隠したい恥部を彼の指でこじ開けられ、狙いを定めて攻撃してくる。もう立てない、もう起き上がれない、降参で惨敗ですと横たわると、トドメを彼が刺そうと震えた体を表に返された。
追撃の一手を緩めない彼は私の体に新しい傷をつけた。何度も何度も刺され、古い傷跡を消した。

