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第3章 誘惑

もうすぐ帰る時間だ。今日もお互い絶頂は迎えれなかった。最大限に興奮せず冷静に宙から眺めてたセックス。
でもお土産にその映像を持って帰れる。

柔らかくて硬くて気持ちよくて、いい匂いで優しくて強い体ともうすぐお別れだ。いつか一緒に朝まで寝たいなぁ。
寝顔を眺めて眠りについたらどんなに幸せなんだろう。
どうやったらその夢は叶えることができるのだろう。
マニュアルがあるなら教えて欲しい。目標数字があるなら徹夜でクリアしてその日に一緒に寝たい。


今地震が起きたらいいのに、誰か2人を誘拐したらいいのに、鍵が壊れてドアが開かなかったらいいのに、突然の警報は起きないんだろうか。

人の不幸の上に自分の幸福は成り立たないとある哲学者は言っていた。


みんなの幸せを願ったら夢は叶うのだろうか。
今日一緒に夢を見たいだけなのに。誰も私たちが一緒に眠ることを願ってないんだろうな。