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魚の骨
第6章 酸欠
「もう一回やりたい」
「無理していかなくてもいいんだよ」
「ううん、もう一回やりたいの。やらせて」


今日どうしても頂を取りたかった私は、私の体を配慮している彼を説得したかった。今日私はいきたい。
いった先に何があるのかは分からない。でもいった先に何も無くても、今日いけたという事実が欲しかった。
その事実が歴史になってこの気持ち悪い気持ちも、数年経てば「あの日無理していったね」と笑い話になるはず。
数100年経ってくだらない黒歴史になっても、今日家に帰って1人で笑うことになっても、私の体の細胞が彼の体を拒否しても私の気持ちは今ピークに彼が好きだった。

私の気持ちと体が合致していない方が気持ちが悪い。


「じゃあもう一回してみる?」
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