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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第5章 そして現在
体がどれほど熱くなろうとも、反対に気持ちは冷めるばかり。

彼はいつまで僕を欲する?

いつになれば、捨てるんだろう?

…そんな考えがあるせいだろう。

でも今はまだ…彼の元へいたい。

こうやって、抱かれていたい。

この時だけ、紗神は僕のモノになる。

僕のことだけを考えて、僕のことだけ見ている。

それがとても嬉しかった。

「永河…」

彼の熱っぽい眼で見られるのが、この上ない喜びだった。

「んんっ…」

後ろからキスをされ、僕は自分の性器に手を伸ばした。

彼のキスもセックスも気持ちイイ。

僕自身もすでにイきそうになっている。

彼のリズムに合わせながら扱くと、頭の中が真っ白になった。

いつか捨てられる日が来ても、今は…今だけは彼に溺れていた。

「紗神っ。ああっ、もっと…もっと」

性器を擦りながら、腰を振った。

彼を感じたくて、彼に感じてほしくて。

痴態を見せていることは分かっていた。

でも僕がどんなに彼を求めているか、知ってほしかった。

決して言葉には出さない。

それがお互いの為だ。

だから態度で示す。

好き、愛している―と。

「永河、もっとオレを求めろ!」

「紗神っ、キミが欲しい! もっともっと!」

僕の中で、彼の熱がより大きくなった。

息をつかせぬ腰の動きに、何も考えられなくなってしまう。

…そう、今だけは。

そう思いながら、僕は自分の手の中に欲望を吐き出した。

ほぼ同時に、彼も僕の中で果てた。

「くぅっ…!」

「あぁっ! はっ、はぁはぁ…」

より深い部分に注ぎ込まれる彼の欲望。

僕はいつまで、こうやって彼を感じることができるんだろう?

どっと押し寄せた疲労感からか、僕は意識を手放してしまった。
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