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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第7章 新たな関係のはじまり
でも僕には分かる! 

スッゴク機嫌が悪い笑顔だっ!

血の気がサーッと下がるも、紗神は背を浮かせてこっちに歩いて来た。

「モてるねぇ、永河。微笑み一つで女の子をオとすとは流石っ!」

わざとらしい嫌味な言葉に、カッと頭に血が上った。

「なっ…バカなこと言わないでよ! あんなの普通だろう?」

「どの辺が普通なのかオレには理解できないが…。まあお前も理解できないのなら良いか」

そう言って肩を竦めた。

…何を言っているんだ? 彼は。

そもそも微笑み一つで女の子をオとすなんてワザは、彼の特技だろう。

しかし言いたいことを言った紗神は、僕に背を向け、自分の教室に戻って行った。

「う~ん…。やっぱり早く動いた方が良いのか。モタモタしているとアレだよなぁ…」

…何か嫌な感じのする言葉をブツブツ言いながら。

どっどうしよう…。

まだ体がフラつくのに、帰ったら…!

目の前が真っ暗になりながら、僕は自分の席に座った。

その後、担任が戻って来て、通知表を渡された。

そして少し話しをして、終了。

クラスのみんなが帰る中、僕は通知表を見た。

紗神が勉強を見てくれるおかげで、かなり成績が上がった。

けれど彼が通おうとしている大学の偏差値には、まだまだ届かない。

努力はするけれど…滑り止めを本命にしようと決意した。

とりあえず、七月いっぱいは日本にいるから、その間に大学を探してと…。

「ふぅん。まあまあ上がったんじゃない?」

「っ! うわぁっ!」

いつの間にか背後に紗神がいた。

僕の通知表を覗き込んでいる。

「まあオレが勉強を見ていれば、当たり前か」

僕の手から通知表を奪い取り、じっくり見た。

「ちょっ、返してよ!」

「あっ、オレのはコレ」

彼は視線を外さないまま、自分の通知表を僕の目の前に出した。

別に見たくはなかった。

どうせ予想通りだから。
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