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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第7章 新たな関係のはじまり
天気が良ければ、海が凪いでいれば、最高の結婚式が挙げられると言われていた。

確かに実際来て見て、ここで結婚する人は幸せになれるだろうなと思った。

…そう、他人事ならば良い。

しかし彼が笑顔で神父と会話をしている。

英語だけど、時々『結婚』と言う単語が聞こえるたびに、寒気がするのは何故だろう?

初老の優しそうな神父は、にこにこしている。

でも…この教会には僕と紗神、そして神父の三人しかいないようだった。

物凄く、イヤ~な予感がする。

今すぐ海に飛び込んで、泳いで逃げ出したいぐらいの悪寒も感じる。

「永河、話ついたよ」

満面の笑顔の彼に声をかけられると、びくっと体が震えた。

「話って…何の?」

「結婚式」

「…一応、聞いておくけどさ」

「うん」

「誰か身近な人が、結婚するの?」

「うん。オレと永河」

やっぱりっ!

「遠慮させていただきますっ!」

海に向かって走り出すも、彼の方が足が速かった。

すぐに捕らえられて、ズルズルと教会の中に引きずり込まれた。

神父が笑顔で手を振って、見送ってくれる。

どうやら外で待っているらしい…。

「そう照れるなって。日本じゃ恥ずかしいだろうから、せっかく外国にしたのに」

「日本でやったら、悶絶するって!」

「アハハ。だからここにしたんだって」

紗神は楽しそうに言って、大きなステンドグラスの前で立ち止まった。

美しい天使を描いたステンドグラスの迫力に、目を見開いてしまった。

「キレイだね」

「うん、キレイだ。ここで誓えば、信じるだろう?」

「…何を誓うって?」
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