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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第2章 一年前、関係のはじまり
「そう。食べてみたなぁ、永河の料理」

「でっでもあんまり美味しくないかもよ? そんなまだ、作り慣れてるってほどじゃないし」

「いいよ。オレは永河の料理が食べたいだけだから」

満面の笑みで言われると…断れない。

「じっじゃあこの料理のお礼に、近いうちに作るよ」

「うん、楽しみにしている」

家に帰ったら、猛特訓しなければ!

そう思いながら、彼の料理を食べ終えた。

デザートにアイスコーヒーとチョコケーキが出てきたことに、ちょっと驚いた。

「新真くんって、甘い物好きなの?」

「オレは普通かな? でも永河は好きだろう? 教室でよく、チョコ菓子食べてるし」

うっ! …変なところを見られていたな。

確かに僕は甘い物が好きで、よく食べていた。

教室とか人前ではなるべく控えていたつもりだったけど、どうしても小腹が空いた時はつまんでしまっていた。

「糖分は疲れに良いって言うしね。このチョコケーキ、美味しい店から買って来たんだ。気に入ると良いケド」

「いっいただきます」

一口食べると、カカオの香りが口の中に広がった。

甘さ控え目なたっぷりのクリームと、少し固めのスポンジが僕好みだった。

「美味しい…! スッゴク美味しいね」

「良かった。気に入ってくれたみたいだね」

「うん。こんなのはじめて食べた」

スポンジは少し固いけれど、クリームの量が多くて良い。

それにカカオの匂いも、食欲をそそる。

さすが彼のオススメなだけはある。

いつもは食が細い僕も、出された料理は全て食べられた。

「ご馳走様。どれも本当に美味しかったよ」

「お粗末様」
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