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第4章 芍薬の涙

柊司は迷うことなくベッドに進み、大切な宝物を置くように澄佳を横たわらせた。
そのまま覆い被さろうとする男の引き締まった腕を握りしめる。
「…待って。…お願い…。お風呂に…入らせて…」
…柊司とは愛し合いたい。
けれど、綺麗な身体で彼に愛されたかった。
…少しでも…美しい姿を彼に見て貰いたい…。
印象に残したい…。
…美しい自分を彼の想い出に残したい…。

柊司はじっと澄佳を見つめ、優しく唇にキスを落とした。
そうして、そっと癒すように抱きしめる。
「…分かったよ。…ごめんね、焦ってしまって」
…優しいひと…。
どんな時でも優しいひと…。

澄佳は涙ぐみたい気持ちのまま、男の胸にもう一度甘えるように貌を埋めた。