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第4章 芍薬の涙

「…ああっ…！…んんっ…は…ああ…っ…」
…男の熱く硬く長大な牡が、澄佳の肉を押し開き、侵入してくる。
…久しぶりに男を受け入れるには、澄佳の媚肉は狭かった。
苦しげに美しい眉を寄せる澄佳の額に優しくキスを落とす。
「…痛い？」
「…大丈夫です…痛くても…嬉しい…」
…だって…貴方とひとつになれるのだから…と、澄佳は男の手を取り、頬を寄せた。
「…あんまり可愛いことばかり言わないで。
加減ができなくなる…」
苦しげに眉を顰められ、澄佳は微笑んだ。
「…加減…しないで…。
…して…柊司さんで一杯にして…」
「澄佳さん…！」
柊司の手が澄佳のか細い腰を掴み、そのまま引き寄せる。
「ああっ…！」
男の牡が大胆に突き入れられ、それは最奥まで到達した。
澄佳の美しい眦から透明な涙が一雫、溢れた。
その涙を優しく吸い取りながら、囁く。
「…全部、入ったよ…」
「…ええ…感じるわ…貴方を…」
睫毛が触れ合う距離で、二人はそっと微笑み合う。
ゆっくりと腰を動かしながら、色香に満ちた声色で柊司が囁く。
「…君の中は暖かいな…しっとりとなめらかで…。
…狭くて…すごく気持ちいい…」
…ごめんね、僕だけ気持ちよくて…。
そう詫びる柊司に、澄佳は首を振る。
「……私…も…あ…っ…んんっ…」
男の動きに合わせて、少女のように華奢な腰を揺らめかせる。
「…いいの…？」
澄佳のいとけない媚態につられるように、次第に律動を大きくする。
「…動くよ…」
「…ああっ…は…ああ…ん…」
男の牡は雄々しく硬く…澄佳の中を荒々しく…熱情を持って支配する。
逞しい腰遣い…華奢な骨盤を壊されそうに抽送される。律動が激しく高まるほどに、澄佳の淫肉の奥から欲望の花蜜がとろりと溢れ出す。
…その愛蜜が淫らな音を立て、澄佳の悦楽を伝える。
「…や…ああ…あつ…い…」
「…気持ちいい…？」
唇を奪われ甘く尋ねられる。
…息を弾ませながら素直に頷く。
「…いい…きもち…いい…ああ…んっ…いいっ…！」
はしたない淫らな声が、溢れ出るのを止めることができない…。

逞しく腰を遣いながら、美しいバリトンは囁く。
「…すごくよく締まる…澄佳さんは感じやすいんだね…」
余裕のある男が憎らしく…それを遥かに凌駕するほどに愛おしい。
澄佳は自分から男の逞しい腰にほっそりとした脚を絡めた。
…男が齎す快楽に…身を委ねるために…。