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フリマアプリの恋人
第5章 チャイナローズの躊躇い
中に入ると、再び瞳は柊司に拝み出した。
「お願い、きよたん!なんとかして!
…あたし、今回留年するとせっかくゲットした内定パーになっちゃうんだよ!」
ため息を吐きながら腕を組む。
「…提出期限には余裕を持たせているはずだよ。
皆、期限を守っているんだ。君だけ特別扱いするわけにはいかない」
「分かってる。でも掛け持ちバイトがどうしてもやり繰り付かなくて、ギリギリ間に合わなかったんだよ。お願い!なんとかして!」
柊司は眉を顰めた。
「君は四年だろう?なぜそんなに必死にバイトしているんだ?卒業旅行代?ヨーロッパにでも行くの?
ブランドのバッグのため?学生の本分は勉強だよ。分かっている?」

最近は就活も三年生から始まるし、内定が取れるとバイト三昧で大学に寄り付かない学生が増えた。
柊司が教えるイギリス文学など何の腹の足しにもならないとばかりに堂々とサボる学生も多い。
だから柊司は授業やゼミ、試験やレポートは最大限に厳格にしているのだ。
四月の履修説明の時には
「私の授業は厳しい。単位数稼ぎに履修するつもりならやめておいた方が無難だ。
授業は三分の一休んだら落とすと思ってくれ。
試験は持ち込み不可。レポート、ゼミもきちんと文献を読み込み臨んで欲しい。無論、原書だ。
それでも学びたいと思う学生だけ、履修届けを出すように」
と教壇で語った。
生徒のご機嫌を取り、人気者の教員になる気はさらさらなかったからだ。
案の定、履修学生は多くはない。
…しかし…

「でもきよたんのツンデレ具合いが堪らない!て、あたしの友達は履修したよ。
…あと、なんと言ってもきよたんイケメンだしね〜。目の保養したいんだってさ。
良かったね、きよたん」
と、瞳がしたり顔でかつて言って来たのだ。
「…誰がツンデレだって?デレはどこなんだよ、デレは…」
じろりと睨むと、瞳はけらけらと笑い出した。
「そういう真面目なとこ、可愛いってさ。
…あと、意外に授業が面白いしねえ〜」

…そう言って、瞳はきちんと授業には出席していたのだ。
成績も悪くはなかった。
派手な見かけに関わらずゼミ合宿も皆勤だったし、ゼミ長として様々なコーディネートにも尽くしてくれた。

…だからなぜ、大事な期末レポートを提出できなかったのか、疑問だったのだ。
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