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フリマアプリの恋人
第5章 チャイナローズの躊躇い
「お茶が入ったよ…」
リーフルの薫り高いダージリンを古伊万里のマグカップに入れ、振り返ると瞳が満面の笑みで、柊司のスマートフォンを突き出していた。
「きよたんの彼女?すっごい美人じゃん!どこで引っかけたの?」

…野崎灯台で海を見ている澄佳を撮った写真だった。
柊司がスマートフォンを向けると、恥ずかしそうに笑った…。
あまりに可愛らしくて、つい待ち受けにしてしまったのだ。

「ちょっ…!何を勝手に見ているんだ⁈返しなさい」
慌てて取り返そうとすると、ひらりと身を躱された。
にやにやしながら瞳は画面を見る。
「だって開きっぱなしになってたんだもん。
ねえ、本当に綺麗なひとだね。
彼女でしょ?待ち受け画面にするくらいだもんね〜。
きよたん、そんなひとだったんだ〜。意外〜かわい〜」
漸く取り返し、シャツの胸ポケットに大切に仕舞う。

「…君は恩を仇で返す気か?」
じろりと睨みつけても、少しも悪びれた様子は見せない。
「褒めてるんだよ。いいじゃん。ラブラブなのはいいことじゃん。
…ねえ、何してるひと?」
憮然としながら、熱い紅茶を飲む。
「…千葉の小さな海の町で食堂を営んでいる」
「へえ。意外!きよたんの彼女はセレブなお嬢様かと思ってた。お見合いか、友達の紹介で知り合ったようなひと…。そのまま帝国ホテルか椿山荘で挙式して、奥沢辺りに家を建てちゃうの。そういうのに嵌るひとかと思ってた」

…私と柊司さんとでは、釣り合わないわ…。
哀しげな澄佳の言葉がリフレインした。

「…予想に反して残念だったね。
けれど…彼女は僕には過ぎたひとだよ。
綺麗で優しくて賢くてセンスが良くて自立していて…だけどどこか頼りなげで放って置けないひと…。
君もそうひとと巡り会えるといいね」
毅然と言い放った柊司を、瞳は少し眩しそうに見上げ…そうして愉しげに笑った。

「こんなに盛大なノロケを聞かされたのは初めてだよ。
…でも…なんか、素敵だね…」
そっと付け加え、ウィンクをしたのだ。


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