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フリマアプリの恋人
第5章 チャイナローズの躊躇い
開店準備を終えると、澄佳は柊司を屋根裏部屋に案内してくれた。
「へえ…。屋根裏部屋か…」
二階からロフト風の三階を見上げながら、澄佳のあとに着いて細い梯子階段を登る。

「昨年、改築したの。アクセサリー作りの作業スペースがほしくて…。
…狭いけれど、眺めはとてもいいのよ」

まだ真新しいフローリングの10畳ほどのワンフロアー…出窓が大きく取られ、目の前は穏やかな内房の蒼い海が一枚絵のように広がっていた。
天井には灯り取りの窓もあり、陽当たりも良い。
部屋にはアクセサリー作りに必要なものが収められたチェストがあり、窓際には広い作業机と椅子があった。
シンプルだけれど使いやすそうな…落ち着く空間であった。
「素敵な部屋だね。…君らしい…」
慎ましやかだけれど日々の生活を大切にしている澄佳らしい居心地の良い空間であった。

「ありがとう…。
ここを使ってお仕事をして。
Wi-Fiは飛んでいるからネット環境も整っているし。
ここならお店の賑やかさも伝わってこないから、集中できると思うわ。
…お昼の営業は2時頃に終わるの。
…昼食はそのあと一緒にでいいかしら…?」
おずおずと尋ねる澄佳を柊司は柔らかく抱きしめた。
「…もちろん。色々ありがとう、気を遣ってくれて。
君は本当に僕には過ぎたひとだ…」
胸の中で、澄佳が切なげにため息を吐いた。
「…そんなこと、言わないで。
…言ったでしょう。幸せすぎると怖い…て。
…私、幸せには慣れていないから…」
俯く貌を上げさせる。
その潤んだ眼差しに健気な愛を湛えた貌を優しく引き寄せる。
「…じゃあ、慣れて。
これから澄佳は僕と幸せになるんだから…」
「…柊司さん…」
泣きそうに細められる美しい瞳を見つめながら、その唇をそっと奪った…。


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