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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
数回の呼び出し音で、祖母は出た。
「どうしたん?澄佳。遅いから心配しよったんよ」
…優しい祖母の声…。
涙が出そうになるのを必死で堪える。
「…おばあちゃん。…あたし…もう家には帰らない…。
あたし…片岡さんと暮らす…。
片岡さんが好きなの…。大好きなの…。
だから帰らない。ごめんね、おばあちゃん。
許してね…おばあちゃん…」
涙が溢れて、言葉に詰まる。
「片岡さん…て、片岡の若旦那?
あんた、そんな…どうしたん、いきなり。
何があったん?澄佳…?」
祖母の狼狽する声が聞こえるが、嗚咽ばかりで言葉にならない。
澄佳の手からスマートフォンが奪われる。
「お電話代わりました。片岡です。
今日から澄佳さんは、私と暮らします。
澄佳さんは、私が幸せにします。
お約束いたします。
明日、会社のものが説明にまいります。
どうぞご心配をなさらないように。
失礼いたします」

あっという間に電話は切られた。
…一方的な会話だ。
祖母は驚いているに違いない。
思わずスマートフォンに手が伸びる澄佳の身体が強く抱き竦められる。
「これで君は俺だけのものだ。
…君にはもう帰る場所がない。
俺のところしか…居場所はないんだ」
「…ひどい…」
涙に歪む男の貌はあくまでも優しい。
零れ落ちる涙を拭われながら、囁かれる。
「…俺だけを見て俺だけを愛して、生きていくんだ。
余計なものはすべて捨ててしまえ」
抗議しようとした唇は男の熱いそれに塞がれる。
…目の端に映る房総半島の微かな街の明かりが消えた。
男の齎す濃厚な口づけだけに支配され…やがて澄佳はその甘い蜜に身を委ね、瞼を閉じた…。

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