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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
「…こんな話…聞きたくないですよね…」
澄佳は自分の浴衣の膝を見つめたまま、呟いた。
貌を上げる勇気はなかった。
…夜は深々と更けてゆく。

「…聴きたいです。どんな過去も澄佳さんの大切な一部です。僕は大丈夫です。
続けてください」
柊司の温かい…揺るぎない声が届いた。
心ごと、抱きしめられた気がした。

澄佳は頷き、眼の前の愛おしい男の端正で穏やかな貌を見上げると、再び語り始めたのだ…。
…忘れ得ぬ…あの苦い…けれど甘狂おしい初恋の日々を…。
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