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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
青山の高級スーパーマーケットで食材や調味料の買い出しを終え、片岡のマンションに戻る。
買ってきたものを宮緒と冷蔵庫や棚にしまいながら、澄佳は素直な感想を漏らした。
「東京のスーパーて、凄いんですね。
…高くてびっくりしました…」
宮緒が連れて行ってくれたスーパーは今まで見たことがないような海外の食材や調味料がまるで展示品のように美しく並べられていた。
肉や魚も国産の高級品がメインで、驚くほどに高価だった。
澄佳の住んでいた海の町の名産 伊勢海老や鮑は桁外れの値段だった。

宮緒が微かに微笑む。
「紀伊國屋は特に高級スーパーですからね」

全く使われた形跡がない最新式のオール電化のシステムキッチンを改めて見回して澄佳は尋ねる。
「…あの、片岡さんはずっとここで一人暮らしされているんですか?」
戸棚に缶詰を仕舞う宮緒の手が一瞬止まる。
「…はい。そうです…」
「こんなに広いマンションで?
お部屋もたくさん余っているし、まだ新しいし…。
なんだかもったいないですね」
マンションには防音が完備した子ども部屋らしきものもあり、どう見てもファミリータイプの住居に思えたからだ。

「…投資用に買われたのだと思います。
社長は国内外の出張が多いので、ほとんどこちらには住まわれていないので…」
淡々と説明するのを聞いて、そんなものなのだろうかと納得する。
澄佳は社会や世事については無知に近いのを自覚しているからだ。

ひと通り買い出しの整理が済むと、宮緒は折り目正しく告げた。
「それでは私はこれで失礼いたします。
…本当に外食なさらなくて良いのですか?」
澄佳は思い切って切り出した。
「…あの…。宮緒さん、良かったら一緒にご飯を食べてくれませんか?
…オール電化のキッチンて初めて使うから…上手くいくか分からないですけど…。
片岡さんに作る前に色々試してみたいんです…。
…美味しいものを作って驚かせたいから…」

宮緒は驚いたように眼鏡越しの端正な眼を見張り、やがて静かに微笑った。
「…かしこまりました。澄佳さん」


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