この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
ダイニングテーブルの上に置かれた料理を見て、宮緒は眼を見張った。
…鰯と大葉の醤油ベースのパスタ、ジャーマンポテト、カリフラワーのマリネ、卵とトマトのスープ…。
「…こんな短時間でもう作られたのですか?」
「たいした料理じゃないです。
ご飯を炊く時間がなかったから…。即席です」
澄佳は恥ずかしそうに笑った。

二人で向かい合って食事を始める。
宮緒はパスタを一口食べ、驚いたように小さく呟いた。
「…美味しいです…」
見守っていた澄佳はほっと胸を撫で下ろした。
「良かった!
ガス以外初めて使ったから…勝手が分からなくて…」
スープやジャーマンポテト、カリフラワーのマリネなどにも満遍なく箸をつけ、穏やかに微笑んだ。
「…どれもとても美味しいです。
…社長が話されていたことは本当だったんですね」
「片岡さんが?」
「…内房の小さな町に凄く綺麗な女の子がいるんだけど、料理もめちゃくちゃ美味いんだ…とそれは楽しそうに仰っていました。
…お陰でなかなか東京に戻ってこられなくて困りました…」
ユーモア混じりの言葉にはにかんで俯く。
…片岡さん…そんな風に見てくれていたんだ…。
嬉しさに胸が一杯になる。

…フォークを静かに置くと宮緒は躊躇いがちに、口を開いた。
「…私はこれから澄佳さんのお祖母様にお会いしにまいります」
澄佳の手からフォークが滑り落ちる。
「…おばあちゃんに…?」
宮緒が頷いた。
「…社長からのご指示です。
澄佳さんの事でお祖母様がご心配なさらないようにご説明してまいります。
…何かご伝言はございますか?」

澄佳の美しい瞳から涙が溢れ落ちた。
…たった一人の肉親の祖母…。
両親なき後、自分を大切に育ててくれた…。
どれだけ心配していることだろう…。
自分の不孝は決して許されることではない。

「…ごめんなさい…て伝えてください。
…それから、身体に気をつけて…て…」
泣きじゃくりながら答える澄佳に、宮緒は優しく頷いた。
「…必ず、お伝えいたします」




/332ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ