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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
片岡が帰宅すると、澄佳は玄関に素早く迎えに行った。
…好きな男を出迎えることができる幸せを嬉しく感じながらも、どこか気恥ずかしい。
「…お帰りなさい…」
「ただいま、澄佳。
…いい服だね。良く似合う」
澄佳を抱き寄せながら、その服装に眼を細める。
…片岡は服の趣味にうるさいのだと密かに理解する。
「…私、お洋服には疎いので、宮緒さんにお店を教えていただいたんです」
片岡は澄佳の肩を抱きながら、ふっと笑う。
「やっぱりな。あの男は服のセンスがいいんだ。
…人に合う服を見つけるのも上手い。
気配り上手だし気働きもするし頭もいい。
秘書として本当に有能な男だよ」
「…あの…。
宮緒さんて、片岡さんの秘書としてずっと働いていらっしゃるんですか?」

何の気なしに聞いた澄佳に片岡はこともなげに驚くべき発言をした。
「あの男は俺の親父の愛人の息子だ。
…つまり、俺の異母兄弟だよ」
「…え…?」
片岡のハイブランドのスーツの上着を脱がす澄佳の手が止まる。
片岡の冷ややかに整った貌を思わず見つめる。
…そう言えば…宮緒さんもとても整った貌立ちだった。
片岡に似ていないこともない。

絶句した澄佳を可笑しそうに見下ろし、髪を撫でる。
「親父は宮緒が生まれた時から認知していたからね。
昔から知っていた。
ずっと親父の下で働いていたんだが、俺が会社を継いだのを機に秘書として引き抜いた」
「…そうなんですか…」

ネクタイのノットを緩めながら、淡々と話す。
「…秘書は口が硬い奴に限る。身内が一番だ。
あいつは寡黙だし自分の立場を心得ているし賢い。
俺の損になることは絶対にしない」
…澄佳を見上げ、不思議な笑みを浮かべた。
「…だから澄佳を任せたんだ。
でなきゃ若い男なんかを君に近づかせないよ」
…その言葉のなんとも言えない違和感に、澄佳は黙り込んだ。
そんな澄佳を甘やかすように抱き寄せる。
「…宮緒に惚れるなよ。あいつは美男子だからな」
…単なる焼きもちなのかとほっとする。
澄佳は少し拗ねて見せる。
「…そんなこと…。私は片岡さんが好きなのに…」
片岡は低く笑い、澄佳を強く抱き締める。
「…澄佳は本当に素直で可愛いな…。
大好きだ…」

…胸の中の小さな違和感は、男の甘く巧みなキスであっと言う間に消えていった…。




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