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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
銀座の大きな郵便局でフリマアプリで売れた商品を発送し、祖母と涼太に伊東屋で購入したクリスマスカードを書いた。
フランス輸入のそのクリスマスカードは、アンティーク調の色合いで、クリスマスの情景が細密で美しい絵に描かれたものだ。
…気に入ってくれるといいな…。
そう願いながら封をする。

…幼馴染の涼太は、澄佳が駆け落ちのように片岡の元に行ってしまった後、大層憤り心配し何度か澄佳を訪ねてきた。

「澄佳、目を覚ませ!お前は騙されているんだ!
あいつは女関係が派手で有名なんだ。
手をつけてはすぐにこっ酷く捨てる…。
何にも知らないうぶなお前を弄ぶつもりなんだよ。
…今ならまだ間に合う。俺と町に帰ろう!」

必死に澄佳を説得しようとする涼太に、澄佳は毅然として言い放った。
「やめて、涼ちゃん。
片岡さんのことを悪く言わないで。
…片岡さんはそんなひとじゃないわ。
私のことをすごく大切にしてくれる。
もし、過去がそうだとしても…今は違うわ。
…私、片岡さんが好きなの。愛しているの。
だからもう私のことを放っておいて!」
心を鬼にして涼太を突き放した。
幼馴染の涼太を拒絶することは、とても辛かった。
…けれど、澄佳は片岡を愛していた。
愛して…信じていたから涼太の言葉を心から拒み、排除したのだ。

…涼ちゃん…、許してくれるかな…。
無口だが頼もしい…いつも自分を一番に心配してくれる優しい大切な幼馴染…。

…メリークリスマス…涼ちゃん…。
澄佳はそっと呟きながら、クリスマスカードをポストに投函し、銀座の街へと脚を踏み出した。


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