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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
澄佳の潤んだ美しい瞳が見開かれる。
「…宮緒さん…?
…離して…」
「離しません」
「離して…!…行かせて…!」
がっしりと掴まれた腕を引き離すようにもがく。
凛とした声が響く。
「行かせません。
貴女をこれ以上、傷つかせるわけにはいかない」
そのまま強い力で、まるでその胸に抱き込まれるように引き寄せられる。
ロビーを横切る片岡とその妻の姿を決して見せまいとするかのように、宮緒はその引き締まった体躯で澄佳を庇った。
「…離して…!
…貴方も…全部知っていたのね…全部…全部!」
澄佳の震える白い拳が力なく宮緒の胸に打ち付けられ…やがて縋り付くように啜り泣き始めた。
その背中を優しく慰撫するように撫でる。
…宮緒の胸元からは白檀の香のような香りが密やかに漂った。
幼子に戻ってしまったかのような澄佳に、宮緒は静かに囁いた。
「…まいりましょう。ご自宅までお送りいたします」
「…宮緒さん…?
…離して…」
「離しません」
「離して…!…行かせて…!」
がっしりと掴まれた腕を引き離すようにもがく。
凛とした声が響く。
「行かせません。
貴女をこれ以上、傷つかせるわけにはいかない」
そのまま強い力で、まるでその胸に抱き込まれるように引き寄せられる。
ロビーを横切る片岡とその妻の姿を決して見せまいとするかのように、宮緒はその引き締まった体躯で澄佳を庇った。
「…離して…!
…貴方も…全部知っていたのね…全部…全部!」
澄佳の震える白い拳が力なく宮緒の胸に打ち付けられ…やがて縋り付くように啜り泣き始めた。
その背中を優しく慰撫するように撫でる。
…宮緒の胸元からは白檀の香のような香りが密やかに漂った。
幼子に戻ってしまったかのような澄佳に、宮緒は静かに囁いた。
「…まいりましょう。ご自宅までお送りいたします」