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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
…そのあとは、ただの若い恋人同士になって無邪気に過ごした。
シーズンオフで人影がまばらな海岸を歩き、近くの浜焼きの店で海鮮のバーベキューを食べた。
熱々の網の上で蛤が勢いよく爆ぜるのに驚いた宮緒を見て、澄佳は笑い転げた。
「案外怖がりさんなのね」
宮緒は苦笑いした。
澄佳は手際よく貝や海老や烏賊を焼いて、楽しげに食べた。
「…蛤は澄佳さんが食べてください。
…実は…苦手なんです」
ばつが悪そうに宮緒が話す。
「え〜?美味しいのに…。
しょうがないわね。じゃあ私の海老をあげる」
二人は貌を見合わせて、吹き出した。

海辺の売店で甘酒を一つ買って砂浜に座り、二人で仲良く飲んだ。
夕陽に照らされ、茜色に染まる海をうっとりと眺めた。
「…綺麗…」

宮緒が澄佳の貌ばかり見るので、
「…どうしたの?」
尋ねると
「…何て綺麗なひとなんだろう…て見惚れていました」
…その手が、澄佳の髪を撫でる。
「…恥ずかしいわ…」
「最初から、何て綺麗で可愛くて素敵なひとなんだろう…と思っていました。
穢れを知らない天使みたいなひとだ…て」
「…褒めすぎだわ…」
潤んだ瞳で見上げると、そっと抱き寄せられた。
「…褒めたりないくらいです…」
眼鏡の奥の澄んだ瞳が優しく笑い、唇が重なる。
…けれど、それ以上は決して深くならない口づけ…。
甘く切ない口づけは、儚く美しい夢のようだ。

…永遠に…この美しい夢が覚めなければいい…。
澄佳は宮緒の温かな胸に抱かれながら、そっと目を閉じた。





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