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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
週明けの深夜、片岡は帰宅した。
「…お帰りなさい…。
お食事にしますか?お風呂にしますか?」
ゼニアのスーツの上着を脱がせながら尋ねる。
「食事は済ませてきた。
シャワーだけ浴びるよ」
…片岡のスーツからは先日訪れた莉紗の香水…クロエが漂ってきた。
頭の中がしんと冷える。
「…そう…ですか…。
バスタオルと着替えを用意してきます」

…海外出張のあとだからと、片岡の為に鰹のたたき、里芋と烏賊の煮物、ほうれん草の白和え、茶碗蒸し…など心尽くしの和食を用意していたのに…と、寂しい気持ちになりながら、バスルームに行こうとする。
片岡の傍らを通り過ぎようとした刹那、手首を掴まれ引き寄せられた。
「…シャワーはあとだ。
…寝室に行こう…澄佳…」
抱き寄せられ、顎を掴まれる。
唇を求められ…思わず突き放す。
「澄佳?どうした?」
怪訝な表情をする片岡に、貌を硬ばらせる。
「…私なんかといても、息が詰まるんじゃないんですか?
お義理で抱かなくてもいいのよ…」
ふっと片岡は笑いながら再び腕を取る。
「何を言っているんだ?
…少し放っておいたから拗ねているのか?」
「莉紗さん」
男の貌が僅かに強張る。
「彼女が来たのよ。
…貴方は私が何を考えているか分からない…て。
私が貴方を愛していないんじゃないか…て。
まるで私は冷たい人形みたいだ…て。
なぜそんなことをほかのひとに話すの⁈
私は貴方を愛しているのに!
貴方を想ってこんなに尽くしているのに!」
今までの鬱積をぶつけるかのように叫び出す。

暫くの沈黙ののち、片岡が腕を組みながら冷たく言い放った。
「…本当に、君は俺を愛しているのか?」
澄佳の美しい眉が顰められる。
「…え?」
「本当に愛しているのか?」
「…何を…言っているの?もちろんだわ」

片岡がつかつかとリビングのチェストの引き出しを開け、白い薬袋を掴みテーブルに放り出す。
「これはなんだ?」
澄佳は息を呑む。
…婦人科のクリニックの名前が印刷されたそれは…。
片岡の冷ややかな声が響いた。
「ピルだな。
…俺の子どもを生まないためだろう?」


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