この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
…すべてが散り果てても…

あの頃、私の胸の中には、確かに薔薇が咲いていた…。
唯一の…真紅の夏の薔薇が…。
あの愛の日々は、確かに存在していたのだ…。

澄佳はその薔薇の面影を永遠に封印するように、一度だけ瞼を閉じた。

「…私は貴方とは結婚できないわ。
…いいえ、してはならないのよ」
「澄佳さん!」

…きっと片岡さんも今、苦しんでいる…。
麻季子さんと共に…。
その責任の一端は私にもあるのだ…。

「…私だけ、貴方と幸せになるわけにはいかない」
「…澄佳さん…」
「…自分の罪に目を瞑って、貴方と幸せにはなれない。
きっと私は、貴方も苦しめてしまうわ…」

舞い落ちた花弁を手に取る。
…あの日の薔薇とよく似た…チャイナローズ…。
あの日の薔薇は…あんなにも輝いていたのに…。
今は、色褪せて見える…。
…それは、私が変わってしまったからだ。

「…私の薔薇は…もう散ってしまったのよ…」
宮緒の手の中から、澄佳の手がそっと離れる。

…この手を取れば、愛されることも分かっているけれど…。
私と結婚しても、宮緒さんを幸せにしてあげられない…。


…なぜなら私には、自分の未来が見えないからだ…。

「…私の夏の薔薇は…もう、何処にも見えないの…」
…決別の言葉を、添える。

「…私はあの海の町に、帰ります…」
宮緒の返事は、なかった。
/332ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ