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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
「…そうですか…。
僕は結局、貴女に何もしてあげられなかった…」
悔いるように苦く呟く。
宮緒の端正な貌が歪み、自分まで苦しくなる。
「そんなことないわ。
…宮緒さんは私に希望を与えてくれたのよ。
辛く苦しかった時…貴方は一筋の光を与えてくれたの…。
…本当にありがとう…」
心からの感謝を述べる。
宮緒の手が澄佳の腕を静かに引き寄せる。
その温かな手が、確かめるように愛おしげに澄佳の白く美しい貌の稜線を辿る。
「…僕は貴女を一生忘れません。
貴女は僕にとって唯一のひとだ…」

宮緒の手に手を重ねる。
その眼鏡の奥の優しく澄んだ瞳を見つめる。
「…ありがとう…。
私もよ。私も貴方を忘れないわ…。
…一生…」

…お互いが引き寄せられるように近づき…そっと触れ合うだけの穏やかなキスをした。

少し離れた場所に停めた涼太の車の運転席から、わざとらしい咳払いの音が聞こえた。

…二人は目を見合わせ、可笑しそうに笑い合った。


そうして、大切な大切な宝物を抱きしめるように抱き合い…二人は同じ言葉を囁いた。
「…忘れない…ずっと…永遠に…」

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