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フリマアプリの恋人
第6章 チャイナローズの躊躇い 〜告白〜
…長い告白が終わった。
夜は更け、静かな潮騒の音だけが二人の間に揺蕩っていた。

「…こんな…女なのです…。
警察沙汰にもなりかけた…。
…すべては私の身から出た錆です。
…綺麗で清潔な柊司さんには、本当は聞かせたくなかった…」
涙が一粒、浴衣の膝に落ちたその時…凄まじい力で引き寄せられ、抱き竦められた。
「…何を言っているんですか…!
貴女の過去の話を聞いている間…私は貴女が愛おしくて堪らなかった…!
…澄佳さんがただただ愛おしい…。
貴女はずっと我慢して…可哀想に…どれだけ傷ついてきたの…」
「…柊司さ…ん…」
俯いた貌を優しく上げられ…涙を拭われる。
「…もう、大丈夫ですよ。
僕が貴女を大切にする…決して貴女を泣かせたりしない…。
だから…笑って…。僕は澄佳さんの笑顔が大好きだ」
「…柊司さん…」
涙を湛えた黒い瞳は…美しい夜の湖のようだった。
貌を近づけ、額を合わせる。
泣いている子どもをあやすように微笑む。
「…話してくれて、ありがとう。
貴女の真実の物語を、聞かせてくれてありがとう。
…これで貴女は過去から解き放たれた…。
貴女を縛るものはもう何もない…。
…僕と幸せになろう…」
愛おしくも美しい男の貌をよく見たいのに…涙が溢れて邪魔をする。
「…もう泣かないで…。澄佳…」
溢れる涙を唇で吸い取りながら、囁いてくれる。
澄佳は首を振る。
「…嬉しいの…。嬉しくて…涙が出るの…」
「…澄佳…」
堰を切ったように涙を流す澄佳をあやすように、抱き締める。

…改めて見つめ合い、柊司は厳かに告げた。

「…僕と、結婚してください」
澄佳は長い睫毛を震わせ、泣きじゃくりながら柊司にしがみつく。

…愛する男のプロポーズに、応えることが出来る奇跡のような幸せを噛み締めながら…。
「…はい。
…柊司さん…」

…答えを刻んだその唇は、柊司の愛の口づけにそっと封じられたのだ…。





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