この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密

「はあ〜ん。そりゃ、ご馳走様。
相変わらずラブラブだな。
へえ、プロポーズされたか。
で、返事したのか。良かったなあ。はいはいおめでとう」
「すっごい棒読みなんですけど。涼ちゃん」
澄佳は苦笑しながら、涼太のグラスにビールを注いでやる。
柊司の東京のマンションから帰宅し、1週間が経っていた。
今夜は店仕舞いあと、久しぶりに涼太を招いた。
柊司にプロポーズされたこと…自分はそれを正式に受けたことをきちんと報告したかったからだ。
ふんと鼻を鳴らし、ピースを唇の端に咥えながら百円ライターで火を点ける。
「…そんなにこにこと祝えるかよ。
俺の失恋が完璧に決定したのによ」
つっけんどんに答えた涼太に、澄佳は済まなそうに俯いた。
「…ごめんね、涼ちゃん…」
…そうだ。涼太はずっと澄佳に好意を寄せ続けてくれたのだ。
澄佳が傷つきうちひしがれていた時も、ずっと側で黙って支えてくれていた。
…それなのに…自分は涼太の気持ちに応えることができなかった…。
「そんな貌すんな。
ずっと前から諦めていたからいいんだよ」
頭を軽く小突かれる。
…痛くないように…わざと偽悪的にする仕草は、小学生の頃から変わらない。
「…幸せになれ。俺はそれが一番嬉しい。
あ〜、俺っていいやつだなあ」
「…涼ちゃん…」
「泣くなよ。泣くのは早いぞ。
まだまだ色んなことがあるかも知れねえんだからよ。
何しろ結婚は人生の一大事…なんだろ?」
涙を拭い照れ笑いしながら…ふっと真顔になる。
「…そう…かな…」
「…どうした?」
涼太がピースを咥えたまま、男らしい眉を顰めた。
相変わらずラブラブだな。
へえ、プロポーズされたか。
で、返事したのか。良かったなあ。はいはいおめでとう」
「すっごい棒読みなんですけど。涼ちゃん」
澄佳は苦笑しながら、涼太のグラスにビールを注いでやる。
柊司の東京のマンションから帰宅し、1週間が経っていた。
今夜は店仕舞いあと、久しぶりに涼太を招いた。
柊司にプロポーズされたこと…自分はそれを正式に受けたことをきちんと報告したかったからだ。
ふんと鼻を鳴らし、ピースを唇の端に咥えながら百円ライターで火を点ける。
「…そんなにこにこと祝えるかよ。
俺の失恋が完璧に決定したのによ」
つっけんどんに答えた涼太に、澄佳は済まなそうに俯いた。
「…ごめんね、涼ちゃん…」
…そうだ。涼太はずっと澄佳に好意を寄せ続けてくれたのだ。
澄佳が傷つきうちひしがれていた時も、ずっと側で黙って支えてくれていた。
…それなのに…自分は涼太の気持ちに応えることができなかった…。
「そんな貌すんな。
ずっと前から諦めていたからいいんだよ」
頭を軽く小突かれる。
…痛くないように…わざと偽悪的にする仕草は、小学生の頃から変わらない。
「…幸せになれ。俺はそれが一番嬉しい。
あ〜、俺っていいやつだなあ」
「…涼ちゃん…」
「泣くなよ。泣くのは早いぞ。
まだまだ色んなことがあるかも知れねえんだからよ。
何しろ結婚は人生の一大事…なんだろ?」
涙を拭い照れ笑いしながら…ふっと真顔になる。
「…そう…かな…」
「…どうした?」
涼太がピースを咥えたまま、男らしい眉を顰めた。

