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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密

「…ごめん。
そういう事情で今週はそちらに行けなくなったんだ」
病院の廊下の片隅から澄佳に電話する。
非常灯のみを残して明かりが消えた病棟内は薄暗い。
寂しさがひたひたと柊司の胸に押し寄せる。
「…そんなのいいの。
それより…瑠璃子ちゃんは大丈夫?お義母様は?」
澄佳の気遣わしげな声が優しく鼓膜に伝わる。
「…瑠璃子は肉体的にはもう大丈夫だよ。
けれどまだまだ精神的に不安定でね…。
起きている間はずっと泣いている…。
義母は今夜付き添うそうだ。
僕も今夜は二人の側にいるつもりだ」
澄佳がスマートフォンの向こうで頷く気配がした。
「ええ、それがいいわ。きっと、瑠璃子ちゃんもお義母様も心強いはずよ」
…そうして、心のこもったいたわりの言葉が届いた。
「瑠璃子ちゃんが一日でも早くお元気になることをお祈りしているわ。
…私のことは気にしないで」
…最後に遠慮勝ちな声が響いた。
「…愛しているわ…。柊司さん。
瑠璃子ちゃんはきっと心もお元気になるわ…。
こんなに優しいお兄様やお義母様がいるんですもの」
思いやり深い恋人の言葉に、哀しみに沈んでいた心が微かに温かくなる。
「…ありがとう、澄佳さん。
…僕も、愛しているよ」
…君がいてくれて、良かった…。
心を込めて密やかに囁いたのだった。
そういう事情で今週はそちらに行けなくなったんだ」
病院の廊下の片隅から澄佳に電話する。
非常灯のみを残して明かりが消えた病棟内は薄暗い。
寂しさがひたひたと柊司の胸に押し寄せる。
「…そんなのいいの。
それより…瑠璃子ちゃんは大丈夫?お義母様は?」
澄佳の気遣わしげな声が優しく鼓膜に伝わる。
「…瑠璃子は肉体的にはもう大丈夫だよ。
けれどまだまだ精神的に不安定でね…。
起きている間はずっと泣いている…。
義母は今夜付き添うそうだ。
僕も今夜は二人の側にいるつもりだ」
澄佳がスマートフォンの向こうで頷く気配がした。
「ええ、それがいいわ。きっと、瑠璃子ちゃんもお義母様も心強いはずよ」
…そうして、心のこもったいたわりの言葉が届いた。
「瑠璃子ちゃんが一日でも早くお元気になることをお祈りしているわ。
…私のことは気にしないで」
…最後に遠慮勝ちな声が響いた。
「…愛しているわ…。柊司さん。
瑠璃子ちゃんはきっと心もお元気になるわ…。
こんなに優しいお兄様やお義母様がいるんですもの」
思いやり深い恋人の言葉に、哀しみに沈んでいた心が微かに温かくなる。
「…ありがとう、澄佳さん。
…僕も、愛しているよ」
…君がいてくれて、良かった…。
心を込めて密やかに囁いたのだった。

