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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
週末は、病院で過ごした。
瑠璃子は次第に落ち着きを取り戻し、柊司と雑談ができるまでになった。
自分がしでかしたことを悔やんでいると、ぽつりと漏らした。
「…ごめんね、みんなに迷惑かけて…」
「…瑠璃子…」
「…もうこんな馬鹿みたいなこと、しない…。
約束する…」
…小さな声だったが、その言葉に嘘偽りはないように思えた。
「理絵ちゃんが退院して…寂しくなって…ううん。少し羨ましかったんだと思う。
理絵ちゃんは学校に戻れるのを楽しみにしていたから…」
理絵ちゃんとは隣の病室に入院していた瑠璃子より年上の少女だ。
自律神経系の病気だったが快方に向かい、先日退院したのだ。
瑠璃子にフリマアプリを教えたのもその少女であった。
明るくのんびりした性格の理絵は瑠璃子の良き友人であった。
「…それで落ち込んでいる時に例の掲示板見つけちゃって…。
もう私は学校には一生行けないんだ…て思ったら生きていたくないって思っちゃったの」
瑠璃子への不憫さが柊司の胸の中に満ち溢れ、きりきりと痛みを齎した。
そのまだ幼さが残る小さな白い手を、そっと握りしめる。
「…瑠璃子…。
そんなことない。お前はまだ中学生だ。
これからいくらでも楽しいことがあるし、可能性は満ち溢れているんだよ。
学校だって同じところに行かなくてもいいんだ。
瑠璃子に合う学校はたくさんある筈だ。
焦らずに見つけたらいい。
僕やお母様は瑠璃子の味方だ。
ずっと瑠璃子を応援しているよ」
瑠璃子の大きな愛らしい瞳が柊司を見上げ、寂しげに笑った。
「分かってる…。
柊ちゃんもママも私のことをとても大切にしてくれてるって…」

…でも、だから辛いの。
二人を悲しませてる自分が嫌なの…。

瑠璃子は小さくそう呟いて、一粒の涙を零した…。


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