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フリマアプリの恋人
第7章 秋桜の秘密
午後の講義を終え夕暮れ迫る夏景色の中、柊司は足早にマンションに戻る。
手には由貴子の好物のプリン…。
本当はプリン専門店か、ちゃんとした有名洋菓子店で買いたかったが時間がなくてコンビニのプリンになってしまった。
仕方がない。

寝室のドアを静かにノックする。
「…母様…寝てますか?」
そっと覗くと、どうやら起きていたらしい由貴子がこちらを向き、うっすらと微笑った。
「…ええ。先ほどまでぐっすり…」
起き上がろうとするのに素早く手を添える。
「もう少し寝た方が良くないですか?」
触れた由貴子の身体はか細く儚げで…柊司の胸は痛々しさに締め付けられる。
「具合はどう?母様」
「おかげさまで大分いいわ。
…ありがとう。柊司さん」
いつもきちんと結い上げている艶やかな髪を下ろした由貴子はとても若々しく…その少女めいた清楚さと美しさに柊司は思わず眼を奪われた。
ごく近い距離で眼が合う。
黒くしっとりと濡れた瞳が柊司を見つめる。

…さりげなく眼を逸らし、コンビニの袋をごそごそ弄る。
「…プリン…買ってきました。
母様、好きでしょう?
コンビニのだから、あまり美味しくはないと思うけれど何かお腹に入れた方がいいから…」
柊司が取り出したプリンに、由貴子が眼を見張った。
「…プリン…」
受け取り、じっと見つめる。
…不意に柔らかな眼差しで口を開いた。
「…昔、私が酷い風邪を引いて寝込んでしまった時…柊司さんがプリンを買ってきてくれたわね…」

ああ…と柊司は笑った。
「そうだった。
…あれはまだ母様がお嫁に来たばかりだったから…僕が中一の時かな…」
…柊司は遠い遠い昔を思い出した…。



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