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フリマアプリの恋人
第4章 芍薬の涙
長く甘い口づけを交わしたあと、柊司は静かに澄佳を抱きしめた。
「…急ぎすぎたかな…。ごめんね…。
あんまり澄佳さんが可愛くて、我慢できなかった…」
男の上品なフレグランスが漂う肌心地の良いシャツに貌を埋めながら、首を振る。
「…いいえ…」

ぎゅっと抱きしめられる感触…。
…逞しい男の腕に抱き竦められたのは…何年ぶりのことだろう…。
甘いキスの余韻に浸る澄佳の貌を、柊司は両手で貌を持ち上げた。
真っ直ぐな瞳が澄佳を見つめる。

「…澄佳さん、お願いがあるんです」
「…はい…」
「…今夜、僕と一緒に寝てもらえませんか…?」

…澄佳は驚きに眼を見開いた。
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