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フリマアプリの恋人
第4章 芍薬の涙
白いミュールを脱ぎ捨て片手に持ち、海へと向かう澄佳を波打ち際で素早く捉えた。
そのまま後ろから強く抱きしめる。
腕の中の華奢な身体が小さく震えた。
寄せる波が柊司の靴を濡らすが構わずに抱き竦める。

「誰にでもじゃないよ。澄佳さんにしか、言わない」
「…嘘…」
白い首筋が綺麗な桜色に染まる。
「嘘じゃないよ。僕を信用できない?」
柔らかく腕を解き、澄佳の身体を半転させる。
小さな貌を両手で上向かせ、見つめる。
練絹のようにきめ細かな白い肌…濃く長い睫毛…夕陽を受けて琥珀色に輝く美しい瞳…。
…なんて綺麗なんだ…。
感動すら覚える。
しっとりと潤んだ宝石のような瞳が、切なげに柊司を見上げた。
「…できるわ…」
「…じゃあ、信じて。澄佳さんが好きだ。
…大好きだ…」
「…清…」
自分の名前を呼ぼうとするその唇を優しくそっと奪う。
柔らかな唇…甘い吐息…。
角度を変えて、何度も口づける。

打ち寄せる波が澄佳の手からミュールを奪い、白い波濤に攫われる。
「…あ…」
ミュールを追おうとする澄佳をきつく抱きしめ、その傷つきやすい花のような唇を貪り続けた。

「…僕が好き…?」
桜貝のように可憐な色の耳朶に尋ねると、澄佳のか細い手が柊司の背中にしがみつくように力を込める。

「…好き…大好き…」
微かな…囁くような答えは、潮騒に溶けて消えた…。





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